令和6年 新年のご挨拶

更新日:2024年01月16日

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市民の皆様方には、清々しい新春を健やかにお迎えのことと心からお喜び申し上げます。

元日午後4時10分頃、石川県を中心に最大震度7の地震が発生しました。この「令和6年能登半島地震」は、石川県能登地方に大きな被害をもたらし、多くの尊い命が犠牲となりました。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、そのご家族や被災された方々に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

地震をはじめ、大雨などの自然災害は、いつどこを襲うかわかりません。改めて自らの命、大切な人の命を守るために、日頃から災害への備えをお願いいたします。

(社会経済活動の再始動)

昨年を振り返りますと、5月に新型コロナウイルス感染症が5類へ移行されるのに伴い、行動制限が撤廃され、さまざまなイベントや行事が再開されました。3年余りにわたるコロナ禍によって停滞していた社会経済活動が、少しずつ以前の姿を取り戻しているように感じております。

6月、市民待望のつがる市総合体育館「伊藤鉱業アリーナつがる」がグランドオープンいたしました。様々なスポーツ大会やイベントが開催されるたびに多くの来場者が訪れ、笑顔にあふれ、歓喜に沸いたことに深く感動いたしました。今後は本市のランドマークとして市民に長く愛され、そしてまた市民に育てていただけるアリーナであってほしいと強く願うところであります。

「つがる市ネブタまつり」では7団体が出場し、威勢のよい囃子と華麗な踊りが夏の夜を彩りました。また、「馬市まつり」ではパレードに18団体、約1,100人が参加し、華やかなパフォーマンスが沿道の観衆を魅了しました。

コロナ禍前の水準で開催された様々なイベントや行事では、担い手の士気の低下や参加人数の減少が懸念されましたが、参加された人もそれを見に来られた人も、例年並にまで回復したという報告を受け、ひとまず安堵したところであります。

(記録的猛暑)

昨夏は記録的な暑さが続き、市内では8月、35℃以上の猛暑日が前年の3倍にあたる延べ18日を観測し、熱中症などの健康被害や農作物への高温障害が懸念されました。

稲作農家に対しては、適期刈り取りの徹底を呼び掛けてきたところですが、「胴割れ」や「白未熟粒」が例年より多くみられ、1等米の比率が大幅に低下し、生産者からは落胆の声が聞かれました。

(洋上風力発電事業の促進)

10月、国が洋上風力発電を優先的に整備する「促進区域」に、つがる市、鰺ヶ沢町沖の「青森県沖日本海南側」の海域が正式に指定されました。

「地球沸騰化時代」と呼ばれるまでに深刻化した地球温暖化に立ち向かう上で、再生可能エネルギーは温室効果ガスを排出しない、国内で生産できる有望かつ重要な国産のエネルギー源であり、国では2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた取組を強化しているところです。

洋上風力発電の導入拡大は、日本の「脱炭素社会の実現」のために必要不可欠なものであり、本地域における地域振興や漁業振興にも大きな影響を与えてくれるものと非常に期待しているところであります。

(重点課題への取組み)

令和5年度の市政運営につきましては、前年度に引き続き「人口減少・少子高齢化対策」、「魅力ある農業の推進」及び「子育て・健康づくり対策の充実」を重点課題として取り組んでまいりました。

まず、1つ目の「人口減少・少子高齢化対策」では、若い夫婦世帯の移住支援や結婚を機に始まる新生活への応援事業を継続して実施いたしました。また、都市計画を見直しし、人口減少社会に対応する土地利用の在り方を再構築するとともに、木造地区の若緑団地建替事業に本格的に着手するなど、住環境の整備に取り組んでまいりました。

2つ目の重点課題である「魅力ある農業の推進」では、農業を取り巻く環境が大きく変化する中、本市の基幹産業である農業を守り、その振興を図るため、スマート農業の推進、新規就農者の支援、収入保険やナラシ対策への加入促進などに継続して取り組んでまいりました。

柏農産物加工センターの建替え事業では、柏地区の市農産物直売所南側の農地を新たに取得し、農産物の加工と販売を一体化する施設の整備に着手いたしました。

また、農家の安定収入と魅力ある農業の拡大を目的として、モデル展示圃において加工用トマト栽培の実証実験を開始いたしました。今後、経営のノウハウや実績を積み重ねながら、農家の収益確保に向けた技術の向上と確立に取り組んでまいります。

食料需要の増大、気候変動による自然災害の頻発化・激甚化など、国内外の様々な要因によって食料安全保障への懸念が高まる中、食料の安定供給に対する国民の不安も依然として高まっています。引き続き農業生産の増大と儲かる農業の実現に取り組み、農家所得の安定化を図ってまいります。

3つ目の「子育て・健康づくり対策の充実」では、これまで中学生までの医療費無償化、第2子以降の保育料無償化を実施しておりましたが、令和5年度はさらなる拡充を図り、高校生までの医療費無償化、小学校就学前の全ての子どもにかかる保育料無償化を実施いたしました。加えて、放課後児童クラブについても、利用する全ての児童の保護者負担金を全額助成し、無償化しております。

健康づくり対策では、40歳以上の全市民を対象とした総合健診、並びに個別検診や脳ドック検診の助成について、継続して実施してまいりました。

以上が重点課題への取り組みの一端であります。

このほか、不安定な世界情勢は長期化の様相を呈しており、物価や燃油の高騰が市民生活や農業、中小・小規模事業などに幅広い影響を及ぼしていることから、市民や事業者の負担軽減措置として、様々な給付事業を実施してまいりました。

また、核家族化の進行を背景に市内でも需要が高まりつつある合葬墓の整備については、市斎場に隣接する篠原霊園に年度内の完成を見込んでおり、新年度から利用申込みの受付を開始いたします。

市役所での行政サービスでは、市民誰もが便利で快適に暮らせる社会の実現を目指し、ラインを活用した行政情報の配信や「キャッシュレス決済」、「書かない窓口」といった「スマート窓口」を導入いたしました。書かせない、迷わせない窓口を設置することで、お客様の手間を極力省き、市役所での滞留時間を短縮し、市民の利便性の向上と業務の効率化が図られるものと思っております。

(令和6年度に向けて)

昨年3月末現在、本市の人口は2万9,874人となり、3万人を割り込みました。国全体が人口減少の局面にありますが、経済、社会保障制度などへの影響のほか、まちの元気、活気が薄れることで、本市の活力の低下が懸念されます。

「人口減少・少子高齢化対策」は、本市の最重要課題として危機感を持って捉えているところであり、若い世代が魅力を感じるまちづくりをさらに進めていかなければならないと思っております。国・県と歩調を合わせ、自治体は経済支援の側面から給付事業などを強化し、各事業者においては賃上げや働き方改革、地域では子どもに優しい雰囲気を醸成するなど、社会全体で子育て環境の充実を図る必要があると考えております。

また、高齢者世帯が増加し、買い物や通院などに困難を感じる市民が増えています。移動手段を持たない高齢者にとって、健康や生活の質が低下し、孤立感が増すといった問題が生じ、社会全体にも大きな影響を及ぼしかねないことから、タクシー事業者の協力による高齢者の移動支援や、移動販売空白地帯へのテコ入れを図ってまいります。

本市は、来年2月に市制施行20周年を迎えます。この記念すべき節目の年を迎えるに当たり、市民の皆様とともにこれを祝い、これまで培ってきた歴史・文化・地域の魅力を再認識するとともに、つがる市民としての誇りや一体感の醸成を図り、さらなる市政発展の契機とするため、記念式典をはじめとする長編映画製作、姉妹都市交流、歴史的資産活用など、多彩な記念事業の実施に向けた準備を進めてまいります。

今後も、子供からお年寄りまでつがる市に愛着をもって暮らせる便利で豊かなまちづくりと、地域が抱える課題にスピーディーに取り組むとともに、市民のやる気を大事に育てる市政運営を推進してまいりたいと考えております。

結びに、本年が皆様にとりまして、夢と希望に満ちた、さらなる飛躍の年になりますよう心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

令和6年1月4日

つがる市長 倉光 弘昭

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